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4月30日号 THF Communication No.276

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■■■                        
■■        THF Communication !!      
■                   <No. 276>
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◆ What's New ◆
~最新のTHF関連トピックスを紹介します~

□田中喜代次(THF代表取締役、筑波大学名誉教授)コラム

~運動中の心拍数と血圧と乳酸値~
運動中の心拍数や血圧、乳酸値はどうなっているのでしょうか。
それを語る前に、安静時の状態を見てみてみましょう。心拍数は
1分間あたり50~100拍(平均70~75)あたり、収縮期血圧は90~
180 mmHg(平均130~140)あたり、乳酸は0.5~1.5 mM(平均1.0)
あたりです。運動すると、一般的にはいずれも上昇するため、安静時
の段階で既に高値の人は運動の危険性が高まることに留意しなければ
なりません。ウォーキング、ジョギング、水泳などの有酸素性運動では、
若年成人であれば100~170拍/分くらいの心拍数、130~200 mmHg程度
の血圧、肘静脈から定量した乳酸値は1~5 mMくらいとなり、高齢者で
あれば、90~140拍/分くらいの心拍数、130~200 mmHg程度の血圧、
1~3 mMくらいの乳酸値になると考えられます。但し、運動強度、
運動時間、運動種目、体質、服薬の有無や種類(主作用)によって
数値は異なります。では仮に5㎞走などのレースに参加して全力を発揮
したとしましょう。推奨しないが、仮の話として受けとめてほしいです。
この場合、高体力の若者で心拍数は200拍/分、血圧は220 mmHg、乳酸値は
10 mMを超えるでしょう。高齢者であれば、心拍数は170拍/分、血圧は
200 mmHg、乳酸値は7 mMあたりかと考えられます。なお、激しい運動を
終えて30~50分ほど経つと、心拍数、血圧、乳酸値ともに、運動前の
水準かそれ以下に下がります。運動中の心拍数や乳酸値が高くなるほど
体力トレーニングの色彩が濃くなり、持久力や筋力は高まりますが、
長寿につながる保証はないことにも留意してほしいです。その理由は、
心肥大、不整脈、関節痛、疲労骨折、紫外線暴露、免疫機能の低下などが
起きるケースも少なくないからです。

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◆ Academic News ◆
【British Journal of Sports Medicine】
青年期の体力と中年期の動脈硬化との関連を検討したスウェーデンにおける
コホート研究。平均18.3歳の男性8,986人を平均38.2年間追跡した。青年期の
体力については、自転車エルゴメータを用いて持久性体力を測定し、また筋力
として脚伸展力を測定した。その結果、持久性体力も筋力も、三分位で
最も低いよりも最も高い方が、将来の冠動脈狭窄の発症リスクが低かった。
また、両者の組み合わせが両方低い群と比較して、両方高い群では、重度の
冠動脈狭窄の発症オッズ比が33%低かった。
https://bjsm.bmj.com/content/58/8/411

【JAMA Network Open】
座位時間の減少が高齢者の血圧を低下させることを示した米国における
ランダム化比較試験。60~89歳の座位がちでBMI 30~50の高齢者283人を、
ランダムに介入群と対照群に割り付けた。6ヵ月間、対照群には健康的な
生活習慣について、身体活動と座位行動のトピックを除いて、10回
指導した。介入群には同じく10回、座位時間の減少目標やスタンディングデスク
の使用、座位時間の中断を促すウェアラブルデバイスなどについて指導した。
その結果、介入によって座位時間は1日約30分減少し、血圧が3.48 mmHg
低下し、いずれも有意な群間差が認められた。
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2816825

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◆気になる健康関連ニュース◆

□ フレイル高齢者 社会参加により健康に
千葉大学予防医学センターの阿部紀之特任研究員らの研究により、フレイル状態
にある高齢者でも社会参加することで要介護認定リスクや死亡リスクの低減に
つながることが分かった。日本老年学的評価研究の2010~2011年調査に参加した
高齢者を最長6年間追跡したデータを使い、フレイル高齢者の社会参加と要介護
認定発生、死亡との関係を検証した。その結果、社会参加をしている人は、
していない人に比べて、6年後の要介護認定リスクは26~28%、死亡リスクは
25~32%減少した。高齢者の社会参加が健康寿命の延伸に有効との先行研究が
あるが、フレイル高齢者に特化した検証はされてこなかった。今回の結果を受けて、
JAGES機構の近藤代表理事は、フレイル予防はハイリスクアプローチだけに頼らず、
ポピュレーションアプローチを適切に組み合わせるほうが勝算があるのではないか
と指摘した。

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◆ お知らせ ◆
□次号の発刊は、令和6年5月27日(月)です。
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ゴールデンウィークですね。どこも混んでいると思いますが、
外出しにくかったコロナ禍を考えると、混雑している雰囲気も
楽しもうと思えます。みなさまも良い連休をお過ごしください。

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